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ナースコールにDX推進の波! 排泄予測デバイスなどの各種センサーと連携
近年、様々なビジネスの分野で耳にするようになった「DX(デジタルトランスフォーメーション)」。その概念は「高性能のデジタル技術を活用して企業活動のみならず、私たちの生活をより良いものへと変革する」というもの。介護の分野でもこの業界特有の課題を解決するに当たり、DXによるサービス価値の向上などが期待できます。介護現場におけるDXの推進でどのような業務の改善が望めるのか解説します。
介護業界のDX化への期待とDX化成功のヒント
慢性的な人材不足という課題を抱えている介護業界では、DX化によってそれを解消させることができるだけでなく、介護サービスの質を向上させることも期待できます。介護サービスの質を向上させることは、企業価値の向上にもつながるでしょう。具体的な介護現場のDX推進としては管理業務などの支援ソフトやIT見守りツールなどの導入が挙げられますが、こうした取り組みがもたらすメリットとしては次のようなことが考えられます。
・業務の効率化:業務管理ソフトなどのITツールやロボットを導入することで、これまで手作業に頼ってきた業務が自動化・省力化できます。介護現場では人の手で行うしかない業務もありますが、マシンでできる作業はマシンに置き換えていくことにより、人的リソースに頼らざるを得ない業務に人材を集中させられるので、スタッフの負担も低減させることが可能となります。
・人材不足の解消:ITツールやロボットなどの導入により、業務を部分的に自動化・省力化すれば、少人数で業務を進めることができ、スタッフの残業時間を減らせます。スタッフはゆとりを持って勤務することができ、経営側にとっては残業代などの削減につながります。
・介護サービスの質の向上:ITツールを活用して事務作業に費やす時間が減ると、スタッフは利用者へのサービス業務に集中できます。また、データの管理や活用がしやすくなるため、それぞれの利用者に合わせたきめ細かい介護プランが効率よく作れるようになり、サービスの質を向上させることできます。
DX化は介護現場に大きなメリットをもたらしますが、それを得るためには以下のプロセスを踏まえたDX推進が重要です。
プロセス1)解決したい課題を明確にする
事業所内における課題を洗い出し、それぞれの重要性を検討した上で、解決に向けて優先順位をつけましょう。
プロセス2)人材の確保と導入するツールの検討
DX化に当たって現状のスタッフで扱えるのか、新しい人材を採用する必要があるのか、外部のサポートを利用するのかなど、事業所の人的リソースに合わせて検討します。
プロセス3)DXの実施とDX化による業務プロセスの変化を記録
DXを実施した際に、どのようなシステムで、どの業務がどう変化したか、時間・人的・金銭的コストの視点から記録し、定期的にチェックしましょう。
ナースコールシステムとの連携でDXの推進を
介護現場におけるDX推進に当たって、ツールとして検討したいのがナースコールです。そのひとつであるアイホン製ナースコール、「Vi-nurse」は、介護支援ソフトや見守りシステムなど、他社の様々なシステムと連携できます。例えば、介護支援ソフトと連携させれば利用者情報や介護記録とナースコールの呼出履歴を一元管理することができます。連携できる介護支援ソフトは複数の種類があるので、事業所の業務内容や実情に適したものを選べます。
また、人的負担の大きい見守り業務については、室内環境の確認から離床センサー、排泄予測デバイスなど、多くの連携可能な見守りシステム、いわゆるユビキタスデバイスが用意されています。現場の業務に合わせたアイホン製ナースコール、「Vi-nurse」と他社システムの連携により、業務の効率化が期待できるでしょう。
排泄予測や睡眠管理 ヒヤリハットやQOL向上のための技術の進化
ここで様々なセンサーやグループウェアなどのユビキタスデバイスとアイホン製ナースコール、「Vi-nurse」の連携事例をいくつか紹介します。
<詳しくはこちらをご参照ください>
https://www.aiphone.co.jp/products/medical_welfare/welfare/vi-nurse/feature/work-with.html
・排泄予測:超音波センサーによる排泄予測デバイス「DFree」との連動で、利用者が排泄するタイミングをナースコールに知らせます。「DFree」は体に装着するタイプのセンサー機器で、膀胱内の尿の溜まり具合を安全な超音波でとらえます。トイレ誘導やパッド交換のお知らせも可能なので、介護スタッフが効率よくタイムリーに排泄を介助できます。
「Dfree」イメージ
(トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社 様 提供)
・睡眠管理:パラマウントベッド社製「眠りCONNECT」との連動では、マットレスの下に設置したセンサー(眠りSCAN)があらかじめ設定した覚醒/起き上がり/離床といった利用者の状態変化を検知し、ナースコールに通知します。さらには一人ひとりの睡眠・覚醒データを睡眠日誌として表示することも可能で、利用者の生活習慣を把握する際に役立ちます。
「眠りCONNECT及び眠りSCAN」イメージ
(パラマウントベッド株式会社様 提供)
現場の課題を洗い出し、現場の実情に適したDX化を
人材不足の課題を常に抱える介護現場は、DXによる業務の効率化を目指すべき分野です。DX化のメリットを得るためには最初に現場の課題を洗い出し、実情に敵したITツールやシステムの導入を検討しましょう。ツール(システム)の導入に当たっては、他のシステムと柔軟に連携が組めるなど、今後も進化し続けるデジタル技術への対応を視野に入れておくことが大切です。