介護人材育成
プラスαの資格でキャリアアップ!福祉用具専門相談員に注目!
今、「福祉用具専門相談員」の資格が注目を浴びています。福祉用具とは「心身の機能が低下し、日常生活を営むのに支障のある老人又は心身障害者の日常生活上の便宜を図るための用具及びこれらの者の機能訓練のための用具並びに補装具」として福祉用具法で定義されている介護機器のことをいいます。これらの介護機器を扱う福祉用具専門相談員の資格の魅力とニーズとは? その現状をチェックしてみましょう!
福祉用具専門相談員の資格とは?
福祉用具専門相談員は、介護を必要とする人、介護をする人の両方の立場を理解し、利用者の生活の幅を広げ、生活の質の向上を担います。高齢者が介護保険を使って福祉用具を利用するときに、その人にあった福祉用具を選定し、適切な利用をお手伝いするための専門職の資格です。
資格の取得には、都道府県知事の指定を受けた研修事業者が実施する「福祉用具専門相談員指定講習」を受講し、50時間のカリキュラム、修了評価試験(筆記)を受ける必要があります。受講資格は特になく、誰でも受講が可能です。
カリキュラムは、福祉用具専門相談員の役割や、介護保険制度等に関する基礎知識、高齢者と介護・医療に関する知識、個別の福祉用具に関する知識・技術、福祉用具サービス計画(個別援助計画)等について学習、演習します。
約7日~9日間の講習スケジュールで、受講費用は安いところで2万円台からの受講料設定もあるようです。
制度変更で資格の価値が急上昇!
介護保険の指定を受けた福祉用具貸与・販売事業所には、福祉用具専門相談員の配置が2名以上と義務付けられています。介護用品の販売、レンタルは、現在成長している事業分野であることから、福祉用具に関する仕事に興味がある人は取得がおすすめです。
また、2015年4月の制度改正により、ホームヘルパー1級、2級の資格取得者、介護職員基礎研修・初任者研修の修了者は福祉用具専門相談員の要件から除外され、福祉用具専門相談員としての業務に従事できなくなりました。そのため今後、福祉用具専門相談員の資格取得者は引く手あまたになることが予想されます。
ケアマネジャーを目指す人にも人気
福祉用具専門相談員の主な業務内容のひとつには「福祉用具サービス計画書等の作成」があります。これはケアマネジャーが作成するケアプラン作成の一部です。したがって、今後、ケアマネジャーを目指していく人にとっても、重要な知識の習得ができる有益な資格といえるでしょう。
ケアマネジャーになるつもりがなくとも、資格取得によって幅広い知識と経験を得ると、守備範囲の広い、ワンランクアップの介護ワークが目指せるでしょう。
福祉住環境コーディネーター資格取得もおすすめ
プラスαの資格としては、福祉住環境コーディネーター資格取得もおすすめです。
介護施設で働いている場合であっても、福祉住環境コーディネーターの資格がまったく無縁というわけではありません。工務店などが取り付けた施設の手すりについて「これは逆向きだ」と自信を持って指摘することができ、施設の安全管理に貢献ができたという実例があるそうですよ。
経営層も介護スタッフの資格取得を考慮しよう
今後、ITの進歩とともに介護機器の進化はますます加速していくと考えられます。自施設の介護スタッフも福祉用具専門相談員のようなプラスαの資格を勉強、取得することによって、最新の福祉用具が扱える質の高い介護のスペシャリストとなってくれるでしょう。有能な介護スタッフを多く抱えることは、他施設との差別化にも有効です。経営層は、介護スタッフの人材育成のためだけではなく、経営戦略のためにも、このようなプラスαの資格取得を積極的に奨励し、サポートを最大限にしていく必要があるでしょう。
参考: