意味のある介護記録を作るために 仕事の目的を振り返ってみましょう

仕事に取り組むときは、ただ作業をこなすだけでなく「目的」を意識することで、質の良い仕事へとつながります。これは現場での介護だけでなく、介護の記録にも当てはまるでしょう。「意味のある記録」を残すことで、今後の業務改善に活かせるのです。では、そもそも介護記録の目的とは何でしょうか? 一度振り返ってみましょう。

「目的」を意識することで仕事の質がアップします

仕事の取り組み方として、一般的には「目標や目的意識を持つことが良い」といわれています。というのも、淡々と作業をこなしているうちに、結果ではなく作業そのものが目的になってしまうことがあるためです。また、目的がないと仕事にメリハリがなくなったり、モチベーションが下がったりすることもあるでしょう。これはどの業界でも共通で、当然介護業界においても当てはまることです。

ひたすら業務をこなすよりも、「この作業によって、利用者にどんなメリットがあるのか」という目的を意識したほうが、当然ながらやる気がアップします。何のために仕事をしているのか。誰の役に立つ仕事なのか。スタッフ全員が仕事の意味をしっかり理解すると、施設全体の作業効率やモチベーションの上昇が期待できるでしょう。

介護記録の目的とは? 再度確認してみましょう

質の良い仕事とは、現場での介護だけを指すものではありません。日々の記録業務など、裏側で行う事務仕事も目的意識の有無によって仕事の質が変化するのです。

意識の差は記録業務にも現れます

介護施設では、毎日利用者の状態を記録します。その際、職員によって記録内容に差が出るケースは少なくありません。必要な情報がきちんと盛り込まれた記録もあれば、その一方で情報不足の記録もあるでしょう。

何でも書けばよいかといえば、逆に情報が多すぎてわかりにくくなる可能性もあります。つまり、情報の取捨選択が必要になるのです。

どの情報が必要か判断するためには、記録業務の目的を理解しておかなければなりません。介護記録がどのように役立つのか理解し、質の良い情報を残しましょう。

介護記録をつける目的

では、そもそも介護記録をつける目的とは何でしょうか? ここで再確認しておきましょう。 

  • 介護職員の情報共有に役立ちます
  • 適切なサービスを提供したという証拠になります
  • 作業内容に問題がないか、検証するための材料になります
  • 改善点や問題点を探す際に役立ちます
  • サービスレベルの向上につながります

記録を残すときのポイント

記録は情報共有やケアプランへの反映に利用します。そのため、客観的に見てわかりやすい内容であることが望ましいでしょう。つまり、誰が読んでも同じ解釈になるように、曖昧な表現を避けて具体的な内容を書く必要があります。曖昧な内容と具体的な内容ではどれだけの差があるのか、実際に文を読んで比較してみましょう。

【曖昧な文の例】Aさんが少し食事を残しました

【具体的な文の例】Aさんがお粥をスプーン1杯分残しました

状況判断を読み手にまかせる表現ではなく、数字などを取り入れて具体的に状況を記載し、誰が読んでも状況を正確に把握してもらえるようにしましょう。

また、記録する際に「5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)」を盛り込むと、よりわかりやすくなるでしょう。5W1Hの記載が難しい場合は、ケースごとにテンプレートなどを用意しておくという手段もあります。

目的を理解して役立つ記録を残しましょう

介護記録は、日々の仕事をするうえで大切な役割を持っています。必要な情報がしっかりと盛り込まれた記録であれば、後々の情報共有やケアプランへの反映、そして業務改善などに役立ちます。そのためには、「仕事の目的」をはっきり理解しておくようにしましょう。

介護の業務改善事例については、こちらでも紹介しています。
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参考:

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