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実は気になる、介護士の働き方大調査!
自分が働いている施設以外の施設の事情や同じ介護士の働き方、気になりませんか?今回は、正社員、非正規社員として介護現場で働く職員へのアンケートをもとに作成された平成25年度介護労働実態調査「介護労働者の就業実態と就業意識調査」の結果から、介護士の働き方について見てみます。
ほかの介護士の働き方が知りたい!
まずは、ほかの介護士がどんな施設でどんな働き方をしているのか、給与はどのくらいもらっているのか、夜勤はどのくらいこなしているのかという、就業面での気になるあれこれを見てみました。
介護士の平均夜勤日数はどのくらい?
業務に必ずといっていいほどついてまわり、最も好き嫌いが分かれる「夜勤」。介護士は1カ月あたり平均してどのくらいの日数の夜勤をこなしているのでしょうか?
第1位 5回以上7回未満(44.6%)
第2位 3回以上5回未満(36.3%)
第3位 1回以上3回未満(8.7%)
少なくとも週に1回のペースで夜勤があるという施設がほとんどのようです。月に11回以上夜勤があるという回答も0.4%ありました。
月収はみんなどのくらいもらっているの?
働き手としてやはり気になるのは月収ですよね。
1位 15万円以上、18万円未満(19.1%)
2位 20万円以上、23万円未満(17.8%)
3位 18万円以上、20万円未満(13.4%)
介護士の月収は夜勤の回数によって変わり、また正規職員と非正規職員ではばらつきがでるものの、両雇用形態を統合すると上記のような結果となりました。
なぜみんな介護士になったのかが知りたい!
次に気になるのが、なぜみんな介護士になったのかということでしょう。
介護の仕事に就こうと思ったきっかけは何だったのか、同じ職場で働いている者同士でもなかなか聞く機会がないものですよね。この記事を読んでいるあなたが介護職に就いたきっかけは何でしたか? そんなことも思い出しながらランキングを見てみましょう。
1位 働きがいのある仕事だと思ったから(51.5%)
2位 今後もニーズが高まる仕事だから(38.1%)
3位 人や社会の役に立ちたいと思ったから(33.0%)
ほとんどの人が仕事へのやりがいを期待し、さらには社会や人の役に立ちたいという思いで介護職の門戸を叩いているようです。また、給与や収入に期待して介護職を選んだ人は2%ほどしかおらず、ほとんどの人が「お金<やりがい」を優先しているようです。この結果は利用者さんたちにとってもうれしい話ですね。
みんな介護士を続けていきたい?
現在介護業界で働く人たちで、今後も介護士として働き続けたいという人はどのくらいいるのでしょうか。また、現状に満足している介護士はどのくらいいるのでしょうか。
今の仕事の満足度
介護士に1.仕事の内容・やりがい、2.キャリア・アップの機会、3.賃金、4.労働時間・休日等の労働条件、5.勤務体制、6.人事評価・処遇のあり方、7.職場の環境、8.職場の人間関係・コミュニケーション、9.雇用の安定性、10.福利厚生、11.教育訓練・能力開発のあり方、12.職業生活全体、これら12項目についての満足度のアンケートをとりました。
ほとんどの項目で30~50%の人が「普通」と回答しています。そのなかでも満足度D.I.(「満足度D.I.=(「満足」+「やや満足」)-(「不満足」+「やや不満足」)」で計算し、値が低いほど不満であるという評価になる)が低かった項目をランキングにしてみました。
1位 賃金 (-24.5%)
2位 人事評価、処遇のあり方(-8.0%)
3位 教育訓練、能力開発のあり方(-6.8%)
やはり賃金に対して不満を抱えている人が多く、圧倒的に満足度が低いです。人事評価や教育については、現場が多忙で教育がなかなか追い付かないことや、会社員と違い、昇級などが明確ではないことが理由として推測されます。
介護士を継続する意志はあるか
続いて、現状に不満な項目がありつつも、今後も介護の仕事を続けていく意志はあるのかどうかを見てみましょう。
1位 働き続けられる限り(55.3%)
2位 わからない(22.9%)
3位 3~5年程度続けたい(9.5%)
約半数の介護士が、「働き続けられる限り続けたい」という回答でした。一方で、「わからない」という回答が2位であることが印象的です。近年、介護業界は処遇が目まぐるしく変わっている一方、利用者も増え続けていることから、先のことまでは考えにくいという人が多いのかもしれません。
介護士にとって魅力ある職場を作るには
アンケート調査の結果を踏まえると、介護士の働きやすい環境というのは給与面をよくすればよいということだけではないようです。職場環境や教育・福利厚生を充実させることで、長く働きたいと感じられる魅力ある職場を作ることができるのではないでしょうか。介護士にとって働きがいを実感できる職場を作ることが、今後の介護業界のポイントとなるかもしれませんね。
参考: