介護の人材育成にも使える?介護士のやる気がアップする漫画とは?

近年、介護士を題材にした漫画が多く発売されています。休憩室においてあって、だれでも手軽に読めるようにしているなんていう施設もあるとか。実は、これらの漫画はただの娯楽ではなく、介護士のやる気が十分に引き出されるようなストーリー構成になっています。今回は、介護士のやる気がアップする漫画をご紹介します。

読むだけで介護士の仕事が分かる!勉強にもなる漫画「ヘルプマン」

まずは、くさか里樹さんの作品である「ヘルプマン」。介護士のバイブルといっても過言ではなく、介護業界では知らない人のほうが少ないかもしれませんね。

あらすじ

高校3年生の進路を何も決めていない主人公と、介護の道を目指す友人は、ある日、道で徘徊しているおじいさんを見つけて施設へ送り届けます。その際に、施設で老人介護の現実を目の当たりにした主人公は、介護の道へ進むことを決意。そして、介護の仕事に日々奮闘しながら、やりがいを見つけていきます。シリーズ構成であり、全27巻発売されています。

漫画の見どころ

この漫画は、介護現場のことがとてもリアルに描かれています。普段の介護現場で何気なく行っている業務1つ1つの意味について真剣に考えさせられるでしょう。また、後見人制度やケアマネージャー、監査などといった教科書にも載っていない現場で使える知識が巻ごとにかかれているため、1巻で1つの深い知識を得ることができるのも大きなポイントです。さらに、テーマは普段の仕事中に介護士が疑問に思っていることばかり。そのため、解決する糸口がストーリーから見いだせて、明日から仕事中に早速使いたいと思える内容が満載です。

この漫画に影響され、主人公のような熱い人材が誕生するかもしれませんね。

わかるわかる!と言わずにはいられない「49歳未経験 すっとこ介護始めました」

次にご紹介するのは、八万介助さん作の「49歳未経験 すっとこ介護始めました」。
単行本化する前は、女性向けの漫画雑誌で連載をしていたということもあり、女性も読みやすい作品となっています。

あらすじ

雑誌の休刊によって仕事がなくなった49歳の漫画家が、介護施設の認知症棟の介護ヘルパーを始めます。初めての分野の仕事に苦戦しながら、次第に喜びを見つけ、成長していくというストーリーです。職探しから始まり、仕事内容、待遇、施設の人間関係、そして、介護福祉士合格まで、実際に3年間働いたエピソードが盛り込まれています。

漫画の見どころ

もともとは別職業に就いていた人の観点からの、介護現場とはどんなところなのかということが書かれている点がポイントです。そのため、現在働いている人たちにとっても、介護現場はこういうふうに見られているんだという新たな視点での発見があります。特に、舞台が認知症棟という、介護職者であっても経験することが少ない部門なので、今後、認知症病棟での就業を考えている人にとっては参考になる部分が多くあります。

また、現在働いている人は漫画を読んで客観的に認知症病棟での働き方を見ることで、改めて自分の仕事について振り返るきっかけともなるでしょう。

仕事に活用しやすいうえ、癒し効果もある「認知症のある人って、なぜ、よく怒られるんだろう?」

最後にご紹介するのは、北川なつさんの作品である「認知症のある人って、なぜ、よく怒られるんだろう?」。この漫画の作者は、先ほどご紹介した作者とは逆の立場となります。もともと、介護福祉士の資格を持ち、現場で働いていた介護士さんが、その日常を漫画に書き上げました。

あらすじ

作者がブログで公開していた短編漫画を著書にまとめたものであり、1ストーリー読み切りで、8コマほどで形成されています。アルツハイマー型認知症を始めとするさまざまな認知症の人の日常生活はどのようなものなのか、どうやって接したらいいのかなどが、かわいいタッチの絵で描かれています。

漫画の見どころ

介護系の漫画は男性の作者が多いのですが、この漫画は女性が作者です。そのため、女性ならではの視点が魅力となっています。また、作者がプロの介護職であるため、気づきと学びを与えてくれるハウツー本にもなっており、人材育成に役立つ1冊となっています。また、認知症の人への対応を漫画を通してみることで自分が認知症介護をやりたいと思ったきっかけや働き始めの頃を思い出すことができるのではないでしょうか。作者がこの作品を生み出したのは、「メディアではマイナスとして捉えられやすい認知症も悪い面ばかりじゃない。介護の現場を発信したくて」という思いからのこと。優しい絵のタッチと内容にとても癒される1冊のため、若年層の介護職員や女性介護士に、仕事で疲れて帰った日などに読んでほしい漫画です。

まとめ

楽しみながら介護について学べる漫画は、介護士達のやる気アップだけでなく、新人介護職員の人材育成の教材としても使えるのではないでしょうか。介護に従事している人は、ぜひ1度読んでみてください。

介護の業務改善事例については、こちらでも紹介しています。
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