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今年のクリスマスは利用者も介護スタッフも楽しむ!そのためにするべきことは?
11月を過ぎると一気に街はクリスマスムード一色になりますね。介護スタッフにとっては今年最後ともいえるクリスマスイベントの準備に追われているころでしょうか。しかし、利用者の中には、せっかく準備してくれているけどクリスマスイベントに参加する気はない……なんて思っている人も少なからずいるようです。今回は利用者の参加率を上げ、みんなでクリスマスイベントを楽しむ方法をご紹介します。
クリスマスイベントが楽しみな利用者は少なめ!その理由は?
実は、クリスマスのイベントを楽しみにしている!という利用者は少なめであるということをご存知ですか?「そういえばあの利用者、他のイベントは楽しみに参加するのにクリスマスイベントは参加しないな」なんていう人にも思い当たるのではないでしょうか。では、なぜ、利用者はクリスマスイベントを心待ちにしていないのでしょうか?
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時代的にクリスマスを経験しておらず、楽しかった思い出がない
入居している利用者の幼少時代は、ほとんどの人が戦時中であるためクリスマスはおろか、その日生きていくことで精いっぱいだった人ばかりです。特に敵国のイベントなんてできる状況ではなかったはず。戦後も経済的な余裕がなく、クリスマスに良い思い出もないので、イベントへの参加を拒否する利用者もいます。
- クリスマスを経験していないので、楽しみ方がわからない
自分の子どもや孫とクリスマスを楽しく過ごしたり、友人たちとクリスマスに催し物をするようになったりなどの楽しいクリスマスを経験してきた人のイベントの参加率は上がります。
しかし、未婚であったり子どもがいなかったりと、クリスマスと縁がなく過ごしてきた人たちは、クリスマスイベントの楽しみを経験したことがないため、参加には消極的な人が多くなります。
- 宗教上、クリスマスにイベントをする習慣がない
NHK放送文化研究所が行った世論調査によると、宗教を信仰している39%のうち高齢者、特に女性の宗教信仰率が高く、さらに親しみを感じる宗教は仏教が65%と高い割合であることがわかりました。クリスマスはもともとキリスト教のイベントであるため、宗教的概念からもクリスマスイベントをする習慣がなく、馴染みがないという人は多いようです。
今では当たり前のイベントになったクリスマス。でも、利用者さんの世代には、今のように広まってはおらず、クリスマスは楽しく盛り上がるもの、という習慣はなかったことを理解しておくことも大切ですね。まずはここから利用者の気持ちを盛り上げよう!
せっかくクリスマスイベントをやるのだから、たくさんの利用者に参加してもらい一緒に楽しみたい!という介護職員は多いはずです。
ツリーや部屋の飾りつけやプレゼント、イベントやパーティ、クリスマスにはいろいろな楽しみが詰まっています。また、当日のための準備をしていくのが楽しいのもクリスマスならではのことです。特にクリスマスを強調しなくても、このような楽しみを一つ一つ伝えていくことで、利用者の気持ちを盛り上げていけるのではないでしょうか?
それでは、どうすれば利用者のクリスマスイベントへの関心が高まるのかを考えてみましょう。
一緒にクリスマスの飾りつけをする
利用者にクリスマスを意識してもらうのに1番効果的なのが、一緒に飾り付けを行うということ。このときはあえてクリスマスイベントに毎年参加しないような人たちに声を掛けましょう。クリスマスだからと特別に強制することなく、一緒に手伝ってほしいと気軽に声かけをすれば断る人もあまりいないでしょう。クリスマスの煌びやかで温かみのある装飾に触れることで、クリスマスって楽しそうという意識をつけていきます。
クリスマスカードを作るレクを行う
レクリエーションの一環としてクリスマスカードを作ってみるのも、クリスマスを自然に受け入れてもらえる方法です。利用者世代にもなじみがある絵手紙でクリスマスをモチーフとした絵を書いてみたり、施設に飾ってあるツリーのスケッチをしてカードを作ったりなどすれば、違和感なくクリスマスを意識してもらうことができます。
利用者も介護スタッフも喜ぶクリスマスイベントとは?
クリスマスに興味のない利用者にもクリスマスを意識してもらえたところで、いよいよクリスマスイベントです。このイベント次第でクリスマスの楽しみを感じて来年を心待ちにしてくれるかどうかが決まります。利用者に人気の高いイベントをご紹介します。
- 職員の催し物は利用者からの人気が高い
利用者から1番人気なのは介護職員が催し物を行うこと。介護職員出演の寸劇だったり、歌って踊ったり、楽器ができる職員が何名かで演奏したりなどのイベントは、普段見られない職員の意外な一面を見られると大好評です。
- 子どもが出る催し物も人気が高い
次に人気が高いのが、子どもが出演するイベント。近くの小中高校などの部活やクラブ、近隣のサークルやスクールが行う合唱や楽器の演奏、劇などは、利用者からの人気が高いです。
子どもたちが歌うクリスマスソングには聞き入る利用者が多く、中には感動のあまり涙を流す人も。近隣に小中高校があり、介護施設での実演に興味を持っているクラブやサークルがあれば、地域の交流という名目で気軽に頼んでみるのもアリですね。
- プレゼント贈呈やケーキの実食は本物志向の利用者にもウケがいい
近年、利用者から寄せられる声で多いのが「イベントが子どもだまし」というもの。実際にクリスマスイベントに参加した後に、施設へのクレームとしてこういった声が寄せられた例もあるそうです。そのため、心ばかりのプレゼントを用意したり、ケーキを食べたりすることで、本格的なクリスマスの雰囲気を出して本物志向の利用者の満足度を高めるようにするとよいでしょう。
早めの準備で成功させよう!
クリスマスのイベントは当日だけでなく早めから準備をすることで、利用者にも何をするのだろうというワクワク感を与えることができます。ツリーや部屋の飾りつけをしたり、イベントで使うものを作ったりとクリスマスの準備も楽しいものですよね。利用者、介護スタッフ双方が盛り上がれるよう今年は早めからみんなで準備をしていきましょう。
参考: