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昔のイメージとはちょっと違う。今どきの高齢者は、ブームの先駆け、ハイカラ世代
一般的に高齢者といわれているのは65歳以上、実はこの世代、今では若者が当たり前のようにたしなむ趣味を、積極的に取り入れてきた人たちです。いわばブームの先頭を走り続け、定着させた人たち。そして今なお、若いころにたしなんだ趣味の実力を発揮するスーパーシニアも珍しくありません。
テニスの腕前がすごい!
最近は行政が力を入れていることもあり、一般市民がスポーツを気軽に楽しむことができます。そうした場所では多くのシニアがさまざまなスポーツを楽しんでいる姿を目にします。
60代、70代のおじいさんたちのテニスといえば、どのような印象をもちますか? テニス相手にはちょっと物足りない? でも、仲間に入れてもらうと、認識が間違っていたことを実感することになるかもしれません。なぜならば、おじいさんたちは、そろいもそろってテニスの達人ということがあるからです。実際、試合をして、右に左に振り回され、ショットを決めても粘り強くボールを返され、1時間ほどでフラフラに疲れてしまった人もいます。「どうしてそんなに上手なんですか? しかもタフですね」と話しかけたところ、「だてにテニスのキャリアが長いわけじゃないからね」と軽くかわされたとか。
その昔、現在の天皇陛下と皇后陛下が軽井沢のテニスコートで出会った、いわゆる「テニスコートの恋」をきっかけに、ブームに火がついたテニス。「おしゃれなスポーツ」として積極的に取り入れてきた世代が、今の60代、70代なのです。そして、テニスが上手くて元気なだけでなく、とてもスタイリッシュ。若さの秘訣は、いくつになっても「テニスが上手くなりたい」と思う情熱なのだそうですよ。
スキーの腕前がすごい!
1956年、イタリア・コルティナダンペッツォで開催された冬季オリンピック。男子大回転競技で、日本人初の銀メダルを猪谷千春さんが獲得、このことで、空前のスキーブームが訪れました。さらに、当時若者に人気だったスター、加山雄三さんが、映画「アルプスの若大将」で華麗なスキーテクニックを見せてからというもの、多くの若者がスキーに夢中になったといいます。
最近のスキー場は、スノーボーダーが圧倒的に多いと思いきや、決してそうではありません。若い世代のスノーボーダーたちと一緒に華麗なフォームで滑り降りるスキーヤーは珍しくなく、そして、その多くは、60代、70代。まさにスキーブームに火をつけた世代なのです。年の功とでもいうのでしょうか、決して無茶な滑りをしない、マナーのよい滑りをする人が多いようです。また、上級者は、ゲレンデスキーだけでは物足りず、山スキーにチャレンジする人も。ブームに乗ってスキーを始め、それなりのキャリアを積んできた凄腕シニアスキーヤーは意外に多いのです。
ギターの腕前がすごい!
先日、某人気テレビドラマでは、自身が経営してきたお店を娘夫婦に託し、オヤジバンドに夢中になるシニアの姿を描いていました。今のシニアは、若いころにビートルズ、ローリングストーンズ、日本の音楽であればグループサウンズに夢中になっていた世代。定年退職を機に、もう一度音楽をやってみたいとバンドを結成し、どうせやるならコンテストに出場しようとがんばる人もいます。実際に、「オヤジバンド」を対象にしたコンテストは年にいくつか行われています。1997年から2014年までに17回開催されたNHKの「熱血オヤジバトル」では、音楽にかけるシニアの熱い姿が描かれ、反響を呼びました。また、ちまたの音楽スクールでは「もう一度音楽をやりたい」と願うシニアのためのクラスがたくさん設けられていて、なかなか盛況のようです。
ハイカラ世代が定着させた若者文化
今では、当たり前のように若い世代がたしなむ、テニス、スキー、ギターの文化。ブームを引き起こし、ブームだけで終わらせずに定着させたのは、今の60代、70代のシニア世代といえるでしょう。とても若々しく元気なシニアは、今では当たり前になった趣味の先駆けと思って接するべきなのかもしれません。
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