介護業務改善
介護サービスの質向上にもつながる?すぐに始められるペーパーレスの業務改善
介護報酬請求やケア記録、法改正への対応など、日々、膨大な記録管理と帳票作成を行っている介護施設。パソコンやシステムを活用して、紙で管理したり、筆記したりする業務を極力削減するペーパーレスが有効です。とはいえ、手書きに慣れたスタッフへのPC教育やIT環境整備がなかなか進まない施設もあるのが実情です。ここでは、パソコンやタブレットを活用したペーパーレスのメリットと導入のコツをご紹介します。
ペーパーレスが進まない介護現場
介護現場では、利用者への介護・介助だけでなく、膨大な数の書類作成・管理も重要な業務のひとつです。これらは、収益(介護報酬請求)にかかわる必要なものなので、書類の種類や数を勝手に削減してコストダウンすることはできません。
ITに強い経営者や複数事業所を展開している介護事業所などでは、介護報酬請求から、送迎管理、サービス実施記録表、モニタリング記録などフルパッケージ化されている介護業務支援システムを導入しているところもありますが、一方ではエクセルでの情報入力・管理もままならず、手書きの記録に頼る事業所もまだまだ多いのが実情でしょう。
介護事業者からは「導入する予算がない」「経営者の理解がない」「PCになれないスタッフの教育をする時間がない」「運用がうまく行かず、中途半端な状態になって、結局毎月紙の記録で確認することになってしまう」といった声をよく聞きます。
サービスの質にも影響!
口頭報告・手書き管理に頼っていると、チェックも人の目で一つひとつ行わなければいけません。そうすると、突然の修正やトラブルへの対応、原因調査に遅れがでたり、引き継ぎに漏れ・ミスが起こるリスクが高くなったりします。書類作成業務で手間取り残業時間が積み重なると、利用者に提供するサービスの質に悪影響を及ぼす可能性が出てきます。
パソコンへの苦手意識をなくすコツ
ペーパーレスが今日まで実行できない原因のひとつに、スタッフの反対や施設長のパソコンへの苦手意識があげられます。
そこで、「誰でも入力・管理できる」システムを導入することが解決になります。そして、ペーパーレス化達成には、施設長自らがその必要性とメリットを理解し、牽引していくことが不可欠でしょう。
パソコン入力が苦手・不慣れなスタッフには、最初は「新規利用者の個人情報の入力だけ」、「新しいケアマネージャーの登録だけ」など、簡単な業務をお願いしましょう。少しずつ依頼する内容を増やしていくようにすると、スムースに慣れてもらうことができるでしょう。
スタッフの心と時間のゆとりが利用者満足度を上げる
今、ペーパーレス化を実現している介護施設も、はじめは「今まで通りで問題ないのでは」という疑問が少なからずあったようです。
しかし、ペーパーレス化のシステムを導入した結果を見てみると、書類作成・管理にあてる時間が削減でき、月初・月末の残業時間の短縮を可能にしただけではなく、スタッフ間の引き継ぎ改善によるミスの減少、ケアマネージャーへのより良い情報提供も可能となっています。
ペーパーレス化を行うと、本来のサービス提供により多くの時間を割くことができ、ケアマネージャー、利用者、家族の満足度向上が期待できます。最近では入力作業をタブレットでできるというシステムも手軽に導入できるようになってきています。一度ペーパーレス化を諦めた施設でも、自分の施設にあったペーパーレス化の導入を再検討してみませんか?
参考: