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マスク着用だからこそ気をつけたい介護職の熱中症
新型コロナウイルス感染症対策として、マスク着用は欠かせなくなっています。特に、感染リスクの高い高齢者と接する介護職は、マスクをしながらの仕事となるため、これまで以上に熱中症になる可能性が高くなるといえるでしょう。そこで、マスクをしながら働く介護職員向けに熱中症対策を3つ紹介します。
まずは体調管理を徹底しよう
熱中症を予防するには、ふだんの体調管理を万全にすることが第一です。体調が良い人に比べると、体調が悪い人や持病がある人は熱中症になりやすいからです。日常的に体温測定や健康チェックを行い、体調が悪い日は無理をしないようにしましょう。
特に気をつけたいのが睡眠不足です。介護職はシフト制で仕事をすることが多く、生活リズムが狂いやすくなります。夜勤をしている人は、夜勤明けの次の勤務で睡眠不足の状態になっていませんか。夜勤明けであっても、睡眠をしっかりとれるように工夫をしましょう。
また、介護施設は利用者にあわせて温度や湿度を設定しているため、マスクをしたまま作業をしていると少し暑く感じることが少なくありません。慣れない暑さのなかでの仕事は、熱中症になるリスクが高くなりがちです。ふだんから軽めの運動を心がけ、暑さに体を慣らしておきましょう。
具体的には、「やや暑い環境」で「ややきつい」運動を30分程度行うと、体が暑さに慣れるといわれています。運動する時間があればウォーキングを、なければ通勤時に一駅ぶん歩くといった方法を取り入れてみましょう。
水分補給時はまめに行おう
熱中症にならないためには、まめに水分補給を行うことが大切です。マスク着用時には口の中が潤うため、のどの渇きに気づきにくくなります。のどが渇いていないからと水分補給を行わないでいると、気づかないうちに脱水状態に陥ることもあります。気分が悪くなったと感じたら、熱中症だったということもあるのです。
休憩時間だけでなく、ケアの合い間にまめに水分をとれる環境をつくりましょう。もっとも汗をかきやすい入浴介助では、飲みものを持ち込み可にすると途中で水分補給ができ、熱中症予防に効果的です。
また、利用者と一緒にお茶をするティータイムを設けると、自然に水分補給ができます。職員が利用者と交流する時間ができて、話もはずむことでしょう。熱中症予防だけでなく、利用者との関係性をよりよくする機会にもなります。
摂取する水分は、お茶や水よりもミネラルを含むスポーツドリンクがよいでしょう。ただし、脱水症状に効果がある経口補水液は、軽度から中等度の脱水時に適した飲みものです。飲用する場合には摂取目安量を守ることが大切です。コーヒーや紅茶などカフェインを多く含む飲料は、利尿効果があるため水分補給には不向きです。
なお、人間に必要な水分は、一般的に食事を除いて1日1.2リットルといわれています。水分補給をするときには、一度にたくさんの量を飲むのではなく、少しずつこまめに摂取すると熱中症予防に役立ちます。
また、激しく動いたときやたくさん汗をかいたときには、塩分の補給も忘れないようにしましょう。塩分補給にはスポーツドリンクのほかに、飴(あめ)やタブレットなどがあります。上手に取り入れて熱中症予防に取り組みましょう。
入浴介助後や休憩後はマスクを交換しよう
介護職の熱中症対策では、マスクに注目することも大切です。マスクを1日中着用していると、マスクの内側は汗や唾液で湿ってきます。特に不織布マスクは汗や唾液で目づまりしやすく、湿ると通気性が悪くなり呼吸がしづらくなります。その結果、熱中症になるリスクも高くなるのです。
また、汗や唾液で湿ったマスクは、細菌が繁殖しやすい環境です。体調が良いときには大丈夫でも、疲れがたまっているときや睡眠不足時には、体調不良の一因になる可能性もあります。
マスク着用による熱中症を予防するためには、1日に数回マスクを交換しましょう。特に、汗をかきやすい入浴介助のあとや、休憩後に交換すると、汗や唾液による目づまりを予防できます。ふだんから交換用のマスクを複数用意しておき、定期的にマスクを交換するようにしましょう。
少しでも体調の異変を感じたら涼しい場所で休もう
マスク着用時には強い負荷の作業や運動は避けたほうが良いといわれています。しかし、介護職の仕事では、負荷のかかる仕事中もマスク着用は避けられません。日常的に熱中症対策を行うことはもちろん、少しでも体調の異変を感じたら、すみやかに水分をとり、涼しいところで休憩しましょう。水分摂取はまめに行うことが大切です。
参考: